登山に持っていく必需品に今や電話・GPS・天気予報・写真等などの期待を一身に背負ったのがスマートフォンです。
特にGPSはスマホの大画面で見るとルートが分かりやすいです。また、GPSの精度はハードウェアによりけりですが、全体的に年々向上しています。
では、登山で活躍するスマホの選び方とGPSアプリのおすすめをご紹介します!
登山で活躍するスマホの選び方!
photo by Bureau of Land Management Oregon and Washington
防水性能
山に雨はつきもので、雨が降ればガスで道が見えにくくなります。道が見えないときこそGPSの出番と思いきや、スマホは水に強いとはいえない精密機器です。
こういう時にスマホに防水性能が要求されます。どれほどの防水性能があれば良いか、ざっくり言って水深1mに耐えるIPX7かそれ以上なら合格点です。
しかし難儀なことに、防水性能は経年劣化してしまうので、新品から約2年で防水性能の信頼性が揺らぎます。
そこで防水ケースの登場です。100均の二重チャック・ソフトケースでもいいですし、耐衝撃に備えるハードケースも心強いです。
防水ケースを使う前提ならスマホにはほぼ防水性能を要求しなくてもよくなります。登山の時だけでも防水ケースの使用をおすすめします。
参考価格900円。
ディスプレイの大きさ
大画面であるほうが地図を大きく表示できるので見やすくなります。グローブを付けたまま操作する場合にも大画面だと操作し易いです。
その代わり大画面はスマホ自体が大きいですし、ポケットに収納しづらかったり、操作で両手が塞がったりします。
ハンディGPSに一定の需要があるのは片手で操作ができる小ささを重視しているからです。
バッテリーの時間と寒さ
バッテリーの消費電力はどれも似たようなもので、あとは起動しているアプリが多いとバッテリーの残り時間がゴリゴリ削れていく程度です。
なので大容量モバイルバッテリーを山行に持っていけば解決します。これがあれば山にいながら2~3回の充電が可能です。しかも価格がとても安いです。
あと気温が低いとバッテリーの電圧が下がり、バッテリーが使い物にならなくなります。寒いままでは充電しても意味がありません。
この場合は本体とバッテリーを5度以上に温める必要があります。冬は常にスマホを暖かくしておきましょう。この点で、スマホは冬山に不向きな装備です。
参考価格2,300円。
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GPS精度
スマホにはGPSの受信機が備わっており、GPS精度はその受信機により左右されます。
一般的に安物のスマホ(2万5千円以下)にはそれなりのGPS、それ以上の価格のスマホには価格に見合った性能の受信機が備わっています。
測位衛星にはアメリカ(GPS)、ロシア(GLONASS)、中国(Beidou)、日本(みちびき)などがあります。日本のみちびきは2018年から本格稼働が予定されています。
メーカーとブランドがごっちゃになりますが、HUAWEI・Acer・GALAXY・AQUOSのGPS精度は良い方です。ASUSのZenFoneは良いものと悪いもの両方あります。
この中でGPS精度において最も手堅いのはHUAWEIです。あとOSのバージョンは最新である方がGPS精度が高くなります。
電波
スマホ本体にはあまり関係がありませんが、電波のエリアはドコモが最もカバー範囲が広いです。とはいえ山に対するカバー率はまだ低いです。
スマホのランニングコストを抑える方法
大手キャリア(ドコモ・AU・ソフトバンク)はスマホ端末に縛りがあり月額の通信料も高額(6千円)です。
山でGPSが使いたいがためにスマホを契約するには躊躇してしまいます。そこで大手キャリア以外の選択肢です。
スマホ端末縛りが無い(SIMフリースマホ)、大手キャリアで無い(格安SIM)スマホが今人気になっています。
まずSIMフリースマホですが、端末が2~3万円ほどで通販で購入できます。先程にも述べましたが、安いスマホはGPS精度に少し難があるかもしれませんので、口コミなどをよく確認した方がいいです。
参考価格28,900円。
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次に格安SIMは、ドコモとAUの回線を使いつつも月額1千~2千円の通信料になります。さらに契約期間の縛りが1年以下とゆるくなっています。
しかし、通信速度が遅かったり、大手のキャリアのメールアドレスを使えなかったり、無料通話が無かったりします。それでも月額費用が安いので人気があります。
AndroidのGPS精度の上げ方
Androidはバッテリーの消費を抑えるためにGPSの精度を落としています。そこで電力消費を顧みずにGPS精度を最大にする方法をご紹介します。
OSのバージョンによって設定方法が変わりそうですが、「設定」から「位置情報」を呼び出し「高精度」を選択します。
すると高精度・バッテリー節約・端末のみ、とあります。ここで高精度にするとGPS/Wi-Fi/Bluetooth/回線を駆使して現在地を特定します。
要は大手キャリアの回線から大体の位置を絞り込むので、街中では意味があっても山に回線が届かなければあまり意味がありません。
登山で活躍するGPSアプリのおすすめ!
地図データを予めスマホにダウンロードしておくタイプのアプリが良いです。というのは山の中だとスマホの電波が届かない場合があるからです。
GPSはキャリアの電波が圏外だとしても使えます。GPS機器は基本的には測位衛星からの電波で位置を捉えています。
YAMAP(ヤマップ)
©2017 Google
AppStore / Google Play対応。登山だけでなく、トレイルランニングや渓流釣りにサイクリングにも使えます。
ヤマップは無料です。登山のコースやコースタイムが地図に載っています。予め地図をダウンロードするタイプなので圏外でも地図を見ることが出来ます。
YAMAPは地図以外にもルートや写真や動画を共有できるSNS機能も用意されています。ユーザーが発信する最新情報にアクセスできます。
ジオグラフィカ
©2017 Google
AppStore / Google Play対応。ジオグラフィカは基本無料、機能制限解除は960円です。機能制限とは、トラックログの記録回数制限、表示キャッシュの容量制限、一括キャッシュの制限等です。
基本無料なのでマップやGPSも無料です。地図は閲覧するだけで保存されます。広域と詳細に分かれていますので、両方を閲覧する必要があります。
スピーチ機能は音声でマーカー情報や標高などを知らせてくれる機能です。スマホを見なくても音声で把握できます。
ヤマレコMAP
©2017 Google
AppStore / Google Play対応。ヤマレコMAPは基本無料ですが、プレミアムプラン(月額315円)に加入すると地図のダウンロードが無制限になります。
国土地理院の地図をダウンロードしてオフラインでも使用できます。他の人の足跡を重ねることで登山道の共有ができます。
いまココ機能により現在位置を家族と共有できます。予め設定が必要です。
まとめ
ありがちなのが歩きスマホです。GPS地図ばかり見ていて滑落なんてことにならないようご注意下さい。分岐点などで紙の地図とGPSを見比べると良い勉強になります。
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