体力のない初心者やランニングに挫折した人、さらにはウォーキングでダイエットに失敗した人まで、LSDトレーニングを試してみませんか?
ゆっくり長く走るだけで基礎体力が向上し脂肪も燃えます。
そんな初心者向けのようなLSDトレーニングですが、意外にも上級者ランナーも同じように実践しています。
ではLSDトレーニングとは何なのかを見ていきましょう。
LSDとは
Long Slow Distance、長く・ゆっくり・距離、つまり長い時間ゆっくり走り続けようということです。
主観的にゆっくりなペースで走るから体への負担が少ないです。
主観的だから人によって感じ方が違いますが、LSDの「楽に感じる」レベルとは心拍数でいうと110くらいです。
通学・通勤・お買い物など体を動かしている人なら30分はゆっくり走り続けられます。
それをゆくゆくは1時間にまで伸ばします。上級者ランナーは2~3時間走り続けますが。
LSDトレーニングの効果
遅筋を鍛える
ゆっくり走ることで長距離走で主に使われる遅筋を鍛えることが出来ます。
遅筋は瞬発的な力は発揮できませんが疲労しにくい筋肉です。
脂肪を燃やす
ゆっくりとはいえ走る動作は多くの筋肉を動かすのでエネルギーが消費されやすいです。
LSDの運動強度は50~60%なので脂肪が効率的に燃焼されます。
ミトコンドリアを増やす
遅筋を鍛えることで新しく毛細血管を張り巡らせ、脂肪燃焼を担うミトコンドリアを増やします。
心肺機能向上
長く走ることで心肺機能が向上し、毛細血管が増えることにより疲労物質の排出が行われます。
食欲低下
最大運動強度50%のLSDのような運動を1時間すると食欲抑制ホルモンの分泌量が増すのでダイエット効果があります。
ケガのリスクが低い
ゆっくり走るには歩幅が狭くなりますので体の安定性が高まると同時に足に負担がかかりません。
初心者が痛めやすい膝やふくらはぎに優しい走り方です。
免疫力向上
LSDのような適度な運動は免疫力を向上させます。逆に過度な運動をすると運動不足の人以上に免疫力が低下します。
加齢による痛みが減る
走る全身運動をしていると加齢による肩こり等を減らすことが出来ます。
頭が冴える
運動強度60%が最も理性と想像を司る前頭前野の血流量が増えています。LSDの運動強度50~60%がまさに当てはまります。
生活習慣病のリスクが低下
走る強度にかかわらずランナーは生活習慣病のリスクをぐっと低くすることが出来るとの報告があります。
LSDトレーニングの走り方
LSDトレーニングのペース
LSDは最大酸素摂取量(ギブアップレベル)の50~60%なので、ペースでいうとキロ7~12分です。
キロ12分(時速5キロ) | 体力がない人用 |
キロ10分(時速6キロ) | ウォーキング速度 |
キロ 8分(時速7.5キロ) | ランニング速度 |
キロ 7分(時速8.6キロ) | 運動経験者用 |
キロ 6分(時速10キロ) |
最適なペースは会話しながら走れるペースです。初心者はキロ8分を目標にしてみましょう。
LSDはスロージョギングに似ているところがありますね。
LSDトレーニングの頻度
週3回のLSDをしましょう。火曜・木曜・土曜などはいかがでしょうか。
初心者はまず30分のLSD、途中で疲れたら早歩きをしてもいいです。1ヶ月もすれば体が慣れます。
上級者は週末に1度の120分LSDです。
初心者の1ヶ月目
軽く準備運動を行いましょう。
走る前に姿勢を意識して下さい。少し前傾姿勢で背筋を真っすぐ伸ばします。反らしてはいけません。
肩の力を抜いて腕はコンパクトにし、肘を後ろにしっかり引きます。目線はまっすぐ前方へ、顎は下に引きません。
走れる人は走ってもいいですがそうでない場合はキロ12分で歩きましょう。30分間です。
2週間もすればキロ10分で歩けるようになります。
それから徐々に早歩きになってキロ8分で走り出します。辛くなったら適時歩いて下さい。
1ヶ月目の目標はキロ8分で30分間走れるようになることです。
初心者の2ヶ月目
2ヶ月目の目標はキロ8分で40分間走れるようになることです。
いきなり40分間連続では走らず、まずは20分ラン+3分休憩して20分ランへ繋げます。
又は日によっては30分ラン+3分休憩して10分ランへ繋げます。
2ヶ月目も終了の頃になったら40分ランに挑戦してみて下さい。
初心者の3ヶ月目
3ヶ月目の目標はキロ8分で60分間走れるようになることです。
最初は20分ラン+3分休憩して20分ラン+3分休憩して20分ランです。
又は30分ラン+3分休憩して30分ランです。
3ヶ月目も終了の頃になったら60分ランに挑戦してみて下さい。
初心者の4ヶ月目以降
人それぞれの目標次第ですが、ハーフマラソンに挑戦してみたいと思った場合、120分連続ランが必要になります。
その場合は4ヶ月目からは90分ラン、それを経て120分ランに挑戦していきます。水分補給を忘れずに。
キロ8分ペースですと3時間で22.5キロメートルになります。ハーフマラソンは約21キロです。
LSDトレーニングの注意点
走る時にイヤホンで音楽を聴く人もいます。しかし音楽に気を取られて注意力が散漫になって交通事故にあうかもしれません。
そして注意力が散漫になると走るフォームを見直すことが出来なくなります。
まとめ
60分間走るという時間がネックですが、LSDで健康な体がきっと手に入ります。
正しいフォームを常に意識しゆっくり走ってみましょう!
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