ランナーによく起こる不調があります。
その原因と対策を知っていれば、実際に不調になっても冷静に対処できます。
事前に予防法を知っておきましょう。
熱中症
原因と症状
気温や湿度の高い環境で、運動をしたり長時間過ごすと体温調節する機能が正常に働かなくなります。
やがて意識がもうろうとしたり、頭痛やけいれんを引き起こすことがあります。
寝不足や二日酔いなどの場合も熱中症にかかりやすいので、自覚がある場合は無理に走らずに休養するほうが賢明です。
予防・対策
人間の体には汗が蒸発する時に体温を奪うことで、過剰な体温の上昇を防ぐ機能が備わっています。
だからまずは汗をかいて失われてしまった水分を補給します。
外でのランニングの際はメッシュ付きの涼しいキャップをかぶったり、首に濡れたタオルを巻くのも効果的です。
後頭部は体温調整を促す機能があるので守るようにしましょう。
貧血
原因と症状
ランニングにおける貧血の原因は3つあります。
一つ目は汗によって多くの鉄分が失われてしまうことです。
二つ目はトレーニングによって筋肉が増えるとそれだけ鉄分の需要が増えることになります。そうすると血液に流れる鉄分が減ってしまいます。
三つ目は着地のたびに受ける足裏の衝撃で、血管内の赤血球が壊れてしまうことです。
これらの原因により、めまいや立ちくらみ・むくみ・疲労感・集中力や記憶力の低下などの症状が出ます。
予防・対策
トレーニングのし過ぎに気をつけて下さい。進んで食事から鉄分を取ることが有効です。
例えば赤身肉やかつお・あさり・レバー・ほうれん草・大根の葉・厚揚げ・ひじき・納豆などです。
これらはビタミンCと一緒に摂取することで吸収力が高くなります。
しかしタンニンが多く含まれるコーヒー・紅茶・緑茶は、鉄分の吸収を妨げます。
なので鉄分を摂る場合は食後2時間は摂取を避けるべきです。
ハンガーノック
原因と症状
長時間にわたる運動中に、突然力が抜けて体が動けなくなることがあります。
これは体に蓄えられていたエネルギー源のグリコーゲンが枯渇した状態で、つまりガス欠状態ということです。
体がフラフラしたりめまいがしたり、手足がしびれたり、酷い時は意識を失うこともあります。
予防・対策
軽度ならブドウ糖など甘いものを摂れば治ります。
しかしカロリー摂取をしても吸収するだけの体力が無い場合は回復しないこともあるので、予防がかなり重要になってきます。
フルマラソンなど長距離を走る時は、早めに補給食を摂取しなければなりません。
脱水症状
原因と症状
大量の発汗や下痢、水分の摂取不足によって体内の水分や電解質が不足し、臓器の機能が低下します。
だるさや頭痛めまい、吐き気などの症状が出始め、さらに進行すると意識を失うこともあるので、十分に注意しなくてはなりません。
通常、体重の3%以上の発汗で、身体能力が著しく低下すると言われています。
予防・対策
水分を減らしすぎる人が陥りやすい症状です。
例えばトイレに行きたくないから飲まない、体が冷えるから飲みたくない、体が重くなるから飲まないなどです。
予防法は適量の水をタイミングよく飲むことです。水よりはスポーツドリンクの方が有効です。
15~20分に一度、冬なら50~100ml、夏なら100~150mlの水分補給を行います。
のどが渇いたという実感があるときにはすでに脱水が始まっているといわれています。
のどが渇いていなくても、くちを濡らす程度でもいいので水分補給を心がけましょう。
低ナトリウム血症
原因と症状
運動前や運動中に大量の水分を摂ってしまい、血中の塩分(ナトリウム)濃度が薄まって体の機能が低下する症状です。つまりがぶ飲みをすると起こります。
軽症の場合は息切れやめまい・頭痛・吐き気・手足のむくみなどが起こります。
重症になると意識障害や昏睡状態・死亡を起こすこともあります。
予防・対策
適量の水分をタイミングよく摂取することで防げます。
人間の体が1時間で処理できる水の量は400~800mlですので、とり過ぎに注意しましょう。
フルマラソンなら15~20分に1度、100ml程度補給します。
発汗量の少ない冬なら50~100ml、夏なら100~150mlくらいを目安にしましょう。
ただし、がぶ飲みは厳禁です。
頭痛
原因と症状
ランニング中やあとに起こる頭痛は、脱水症状やハンガーノック、低ナトリウム血症の症状のひとつであるか、酸欠状態である場合があります。
酸欠は強度の高い運動によって酸素が全身に行き渡らず、血中の酸素濃度が低下することで起こります。
予防・対策
脱水症状による頭痛の場合は、体内の水分不足によって血液循環が悪くなることで起こるので、水分補給が必要です。
ハンガーノックによる頭痛の場合は、低血糖が原因なので、アメを舐めたりスポーツドリンクを飲むと効果的です。
低ナトリウム血症による頭痛の場合は塩飴などで塩分を補給しましょう。
酸欠の場合は深呼吸をしてから横になり、安静にしてください。
まとめ
むか~し昔、中学校の全校集会でめまいで倒れたことがあります。
始めてのめまいで、これがめまいだとは気絶から覚醒するまで気づかなかったです。
あの時は起立してありがたい言葉を拝聴し、そして視界が急に暗くなったことを覚えています。
あれれ眠いのかなと思っていたら気絶、といいますか意識喪失です。
つまりですね、倒れる前に自分の体の異常に気づいて欲しいのです。
そうなる前に適切な対応が出来れば軽症で済むかもしれません。
良きランニングライフを!
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